スキーシーズンはすでに本格化し、山々への憧れがますます募る時期。オーストリアやスイスアルプスでは新たなホテルが続々とオープンし、完璧なヨーロッパのウィンターリゾートを演出しています。また、コロラド州の象徴的なベイル・バレーにある家族経営のロッジは、億万長者が集うアスペンとは異なり、リラックスした雰囲気を楽しめる滞在先として人気を集めています。
標高1,550メートルに位置する「エリロ」は、オーストリア・チロルアルプスに抱かれたオールインクルーシブ型の隠れ家。雪を頂く峰々やそびえ立つ松林の壮大な景色を望みながら、ゴンドラで標高の高いリゾートへと向かいます。
全9室の客室は、元々あった山小屋の石材やリサイクル木材を使用し、それぞれ古いドイツ語の単語にちなんだ名前が付けられています。例えば、「Boum(木)」や「Felisa(岩)」など、客室の窓から広がるツークシュピッツェの風景にちなんだ名称。このホテルはエールヴァルダー・アルムスキーエリアの端に位置し、ヴェッタースタイン山脈とミーミンガー山脈の間を結ぶスキーリフトへ直接アクセス可能です。
滑り終えた後は、自然をテーマにしたスパで、トウヒ材を使用したサウナの心地よい温もりで、疲れた筋肉を癒してください。その後、環境に配慮したゼロウェイストのキッチンで作られる栄養豊かな料理でエネルギーをチャージしましょう。
50年ぶりにサン・モリッツに誕生した新たなホテル「グレース・ラ・マルグナ・セント・モリッツ」は、まさにフレッシュな存在。その優雅な雰囲気は、セント・モリッツの伝統的な宮殿風ホテルとは一線を画し、洗練された現代的なデザインとクラシックな趣を絶妙に融合させています。元々アール・ヌーヴォー様式の「ラ・マルグナ」として建てられた建物に加え、新設された「グレース」ウィングは、すっきりとしたラインと山の景観を活かしたデザインが特徴。アルブラ山脈の頂を見渡せるように配置されたベッドからは、凍った湖へと続く壮大な山々の景色が一望できます
このホテルは、サン・モリッツでは珍しい通年営業の宿泊施設で、冬には館内のデザイナーズ・スポーツショップで最新のスキーギアを揃え、エンガディン地方の雪山で滑走できます。アフタースキーは、居心地の良い「マックスモリッツ」でフォンデュを味わったり、スキーシーズン限定営業の「ビーフバー」で炎の上で焼き上げた極上のステーキを堪能できます
スイス・シャンフィッグ谷にあるヴァルザーナ・ホテル・アローザは、持続可能なラグジュアリーを新たな高みへと押し上げたホテル。独自の「アイスバッテリー(氷のバッテリー)」を利用した環境に優しい温度変換システムと、高度な熱回収システムを備え、二酸化炭素の排出を実質的にゼロにするカーボンニュートラルを実現しています。
館内は木材、石、ガラスといった天然素材で彩られ、本格的な山小屋の雰囲気を醸し出しています。エルキー社製の100%天然繊維マットレスを備えたベッドは、アクティブな1日の疲れを癒すのに最適。ホテル内にある「ジスラー」ショップでスキーギアを揃えたら、ヴァイスホルン山頂からの初滑りへ出かけましょう。広大なアローザ・レンツァーハイデスキーエリアでのスキー、スノーシュー・ハイキング、氷浴、ナイトそり滑りなど、冬ならではのアクティビティが充実しています。
ゴア・クリークの森林地帯にひっそりと佇む「シッツマーク・ベイル」は、ベイル・バレーのゴンドラ・ワンからすぐの距離。スキー旅行を快適にするため、自宅からホテルまでスキーギアを直接配送する専用サービスを提供しています。さらに、スキー&スノーボード用の収納スペースや割引レンタルサービスも完備。
シーズンは11月から4月まで続き、特にベイルのバックボウルは、広大な「無樹林地帯」とスキー場の定められたコース外での冒険的な滑走が楽しめる「オフピステ滑走」が楽しめることで有名。ベイル・ヴィレッジに戻ったら、ホテル内の蒸留所の試飲ルームであるディスティラリー・テイスティングルームで「シッツマーク・スプリッツ」を片手に、翌日の滑走ルートを計画しましょう。
ハドソンバレーに位置する「ワイルダー・ホテル・ウィンダム」は、雪に包まれたグレート・ノーザン・キャッツキルズの丘陵に囲まれたヴィクトリア調の邸宅を改装したホテルです。目の前にはウィンダム・マウンテン・クラブがあり、整備されたゲレンデを存分に楽しめます。
無料貸し出しのスノーシューで「ウィンダム・パス」を歩けば、雪化粧した森の中を巡る2.5マイルのループコースを堪能できます。館内では、キャラメル色のオーク材の床やクラシカルな足付きバスタブを備えた歴史あるロッジが訪れる人々を温かく迎えます。アクティビティの後は、薪で温められた樽型サウナで体を芯から温め、焚き火を囲んで煮込んだビーフシチューを味わいながら、冬の夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。
2019年の火災で壊滅的な被害を受けた後、昨年ついに再オープンを果たしたラスティ・パロット・ロッジ & スパ。完全に建て直されたホテルは、ジャクソンの隠れ家としての魅力を余すところなく取り戻しています。今シーズンが再オープン後初めての冬となり、館内外の施設が一新。家族経営のこのホテルでは、かつて愛された西部風のインテリアが復活しました。オリジナルコレクションから救出されたアート作品が、職人による木製家具、深めのバスタブ、川石を使った暖炉とともに配置され、温かみのある空間を演出しています。
ダイニング「ワイルド セージ」では、元イエローストーン クラブのシェフであるヒューゴ・グッドウィンがエキシビションスタイルのオープンキッチンで腕を振るい、地元のジビエやサステナブルなシーフードにこだわった料理を提供。併設のボディ セージ スパでは、近隣のグランドティトン国立公園やジャクソンホールの険しいゲレンデで冷えた肌や疲れた筋肉を回復させるトリートメントが用意されています。
クロエ・フロスト=スミス