2050年までに1兆本の植樹を目指し、Tree-Nationは誰もが簡単に森林再生に参加できる透明性の高い追跡可能な技術を提供しています。森林再生は気候危機に対する最も効果的な解決策の一つであり、私たちはTree-Nationとともに、森林の回復、生物多様性の保護、雇用の創出、そして世界中の地域社会を支援するために植樹を行っています。
SLHクラブメンバー料金で宿泊を予約するたびに、SLHはTree-Nationを通じて2本の木を寄付しています。これまでに植樹した本数はすでに10万本を超えました。私たちの森が成長を続ける中で、Tree-Nationの創設者であるマックス・ルノーダン氏に、彼らのプロジェクトが現実世界に与えている影響について話を伺いました。
Tree-Nationは2006年に、気候変動との戦いに貢献するという決意のもとに始まりました。木々は大量の炭素を低コストで吸収できるため、植樹は気候危機への最も効果的な解決策のひとつです。気候危機が深刻化するにつれ、排出量の削減だけでは短期的な影響を防ぐには不十分であることが明らかになりました。再生可能エネルギーの導入や産業構造の転換など、持続可能な経済への移行が進むまでの移行期間において、森林再生のような炭素吸収策が不可欠です。
私は、誰もが簡単に森林再生に関われるようにするためにTree-Nationを設立しました。世界中の人々と森林再生プロジェクトを結びつけ、数回のクリックで直接植樹ができるプラットフォームを構想しました。設立当初から、植樹の民主化を目的としていました。持続可能な活動に貢献したい個人でも、炭素排出量のオフセットを目指す企業でも、Tree-Nationを通じて簡単に参加し、影響を追跡できます。当プラットフォームでは、仮想的に植樹を行い、それが実際にどこに植えられ、どのような影響を与えているのかを確認できます。
各プロジェクトはそれぞれ独自の特徴を持っており、異なる植樹方法を通じて環境や地域社会にさまざまな利益をもたらしています。
最近のプロジェクトには、ルーマニアの「クライメート・スマート・フォレスト(気候変動に配慮した森林)」、アルゼンチンの「ボスケス・デ・アグア(水の森)」、ウガンダの「マウント・エルゴン生態系の保全」があります。これらのプロジェクトはそれぞれ異なるアプローチで地域環境の回復に取り組んでいます。
Tree-Nationのプラットフォームでは、ユーザーが仮想的に木を植え、自分の貢献が実際にどこでどのような影響を与えているかを確認できます。
私たちのプラットフォームは、「植樹本数」「生物多様性」「社会福祉」の3つの主要分野で最大限のポジティブな影響を生み出すことを目的としています。このアプローチにより、一部の地域に限定せず、さまざまなプロジェクトを幅広く支援できます。
適切なプロジェクトを選定するために、私たちは厳格な要件に基づく評価手法を開発しました。特に重視しているのは、以下の3つの要素です。
私たちは北米、南米、アフリカ、アジアなどの地域で52の森林再生プロジェクトを実施しています。その中でも、特にボリビア、タンザニア、ウガンダでのプロジェクトが大きな成果を上げています。
これらの取り組みにより、単に森林を再生するだけでなく、持続可能な農業の実践を可能にし、地域社会に経済的な機会を生み出すことで、人々の暮らしの質の向上にもつながっています。
Tree-Nationでは、イノベーションを通じて森林再生をより身近に、そしてより効果的にすることを大切にしています。現在、私たちが特に楽しみにしている2つの主要な取り組みが 「Tree-Nation Pledge」 と、現在開発中の 「Tree Feed」です。
どちらの取り組みも、ユーザーとのつながりを深め、支援者の皆さまがより大きな影響力を発揮できるようにすることを目指しています。
ラグジュアリー旅行者が気候変動対策に貢献するためのシンプルな方法のひとつが、旅行のたびに木を植える習慣を身につけることです。例えば、私たちの「#1Trip1Tree(1旅行1本の植樹)」というキャンペーンでは、1人1日1本の木を植えることを推奨しています。これにより、飛行機や移動手段、ホテル滞在で発生する二酸化炭素排出量を簡単に相殺することができます。
さらに、持続可能な旅を実践するには、環境負荷の少ないアクティビティを優先することも重要です。人気の観光地巡りだけでなく、地元の公園や自然保護区を訪れるなど、自然を満喫する体験を選ぶことで、より環境に配慮した旅が可能になります。特に子どもと一緒に旅行する際は、現地の自然の美しさに触れることで、その土地の生態系への理解を深める絶好の機会となり、環境への影響を最小限に抑えながら、より意義のある旅を楽しむことができます。
旅行を単なる観光から、環境に配慮した活動へと変えていくことが、未来の持続可能な旅行につながります。
私がどの都市を訪れるときも、必ず公園や庭園を歩くようにしています。私たちは観光名所を巡ることに夢中になりがちですが、静かな緑の空間を見落としてしまうことが多いのです。しかし、例えばマドリードの「エル・レティーロ公園」、ミュンヘンの「イギリス庭園」、パリの「チュイルリー庭園」など、地元の人々が日常的に訪れる公園こそ、都市の魅力を最も感じられる場所だと思います。
また、私自身、都会の閉塞感が苦手なので、できるだけ公園や森の近くに住むようにしています。自然とのつながりを維持する最も簡単な方法は、日常生活の中に自然を取り入れることだと思います。
インスタグラムの定番スポットを巡るよりも、自然や文化に深く触れられる場所を訪れることをおすすめします。例えば、ヴェネツィアのような観光客で混雑する都市よりも、人々との交流を大切にしながらゆったりと過ごせる場所が理想的です。
目的地を決めるよりも、どんな体験をしたいかを考えるのもよいでしょう。例えば、「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ(Small Luxury Hotels)」のようなブティックホテルに宿泊し、そこから周辺の魅力を探るのも素敵な旅のスタイルだと思います。
旅行は、新しい文化を発見し、異なる価値観に触れてインスピレーションを得ることだと思います。最も充実した体験は、現地の生活に溶け込みながら楽しむことで得られます。たとえば、地元の料理を味わったり、伝統的なアクティビティに参加したり、地域社会とつながったりすることです。
こうした本物の体験は、自然と環境への負荷が小さく、地元経済への直接的な支援にもなります。真のラグジュアリーとは、物質的な豪華さではなく、その土地の本質をありのままに感じることにあるのではないでしょうか。
著: クロエ・フロスト=スミス